人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Appelez-moi Namiko! aubaden.exblog.jp

橋田波子のブログへようこそ!!


by aubaden

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

練習の途中で、突然他のロシア音楽が聴きたくなり、(しかも何故かレコードで・・・)鑑賞しました。ヨーゼフ・クリップス指揮のLPもありましたがズービン・メータ指揮、ロサンゼルスフィルのものにしました。
音大を目指し始めた中高生時代から集めているCDはどうしても半分以上がピアノ関係のものですが、私は幼少時代、レコードに針を落として鑑賞を楽しむ相当に生意気なガキだったのです。今改めてLPのコレクションを見回すと、オーケストラのものが多いのに驚きます。それに何故かワーグナーのオペラが揃っている!本当に生意気でしたね…。
私はロシアもののシンフォニーが大好きです。今年メモリアルなショスタコーヴィチやチャイコフスキー、プロコフィエフ、ストラビンスキー…。
今日聴いたチャイコフスキー6番は美しいだけでなく、大胆で激しく力強く、優しくもあり、内面的な弱さや悲しみを吐露している一面もある最高傑作のひとつで、チャイコフスキー自身「今までの曲は好きではない。この曲だけを愛している」「作曲しながら幾度も激しく泣いた」と言っているくらいだから、かなりの肩入れようだったみたいです。傑作ばかりなんだから、そこまで言わなくても…とも思いますが、初演3日後に生水を飲んでコレラで死んでしまった事などを考えると、お気に入りの作品を作った後の自殺行為と考えられなくもないのです。彼自身、あまり先がないと考えていたらしく、人々は「自殺交響曲」と呼んだそうですから。でもこの「悲愴」という表題は、自身は「悲劇的交響曲」と名付けるつもりが弟の発案により「悲愴的」となったもので、チャイコフスキーの死とは無関係です。
メータの指揮がまた素晴らしく、作品特有の心奥の起伏をあますことなく聴かせてくれて、チャイコフスキーが作曲しながら激しく泣いた程の感動を味わわせてくれるのです。彼は私の大・大好きな亡き女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレのかつての共演者として私の中では株の高い指揮者なのです。
ラフマニノフを弾いていると、その規模の雄大さや和声の複雑さに驚きますが、チャイコフスキーをスタンダードとして捉えるならば、そうなるのも頷ける気がします。改めて、ロシア音楽の奥深さと伝統に脱帽の思いで、鑑賞を終えました。
明日は荷造りして、明後日にはいよいよ旅立ちます。
28日の朝、帰国した足で、箕面の聖母被昇天学院でのコンサートに向かいます!
そうそう、ロシアの生水、未だ良くないみたいです。要注意ですね!
by aubaden | 2006-10-17 22:52