橋田波子のブログへようこそ!!


by aubaden
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<   2004年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

まず、16日に行った合わせのお話からしようと思います。
四重奏のメンバーの皆さんは大阪のスタジオに先に来ていて、とてもにこやかに私を迎え入れてくれました。心配していたテンポ設定もピッタリと合って、彼等の感性は私にとって共感のできるものでした。だから、1、2ページ演奏が進むと緊張は自然と溶け、一緒に空気中を泳いでいるような、錯覚さえ覚えました。
1楽章を弾き終えて、「トレビアーン!」の言葉を頂いた時は、嬉しいというより内心ホッとした、という感じでしょうか。
でも、まだまだ油断は禁物。彼等の素晴らしい音楽へのこだわり、特に音色に対するこだわりを眼のあたりにして、これから二日間ですべき事は、音色の幅を広げる事だなと思い、精進に努めました。
さぁ、18日はいよいよ本番です。
当日のゲネで面食らったのはpppの音を徹底的に追求してきた事!もちろん活きた音として、です。
その後、本番までの間にメンバーの皆さんと、お互いカタコトの英語で会話をしました。
「本物のpppを出せる演奏家は、世界中さがしても、そうはいないんだ。でも聴衆は、ただうるさいだけのアクロバティックな演奏に飽きてきている。pppの存在は、もっと聴いていたい気分にさせてくれる。そして僕達には、それができるよ。」
驚きました。彼等は私を、もう仲間の一員としてとらえてくれていたのです。本番の持つ独特の緊張感の中、私にそんな集中力を持続させる力なんてあるのか、不安は広がりましたが、彼等の期待に背くのは絶対イヤだと思いました。それに来てくださるお客様にも、最高の演奏を届けたい!!気付けばその願いだけになっていました。
演奏はとてもうまくいきました。こんなふうに言い切れる事が、この先いったい何回あるでしょうか…。もちろん、持っている能力に限りがありますから、100点満点というワケにはいきません。でも、この演奏を境に、気持をゼロにして、新しいスタートを切れそうな気がします。
二部は彼等4人による、ドビュッシー作曲の「四重奏曲」でした。先程の演奏で得たものをより強く実感したかったので、着替えてホールの3階席で静かに聴いていました。
「こんなに上手いんだ、こんな人達と音楽を共有できたんだ」
ふつふつと沸き上がる感動と、素晴らしい一時を噛み締めました。
お別れのとき、私が4人にそれぞれ握手を求めると、「これがフランス式なんだ」といって、順番にほっぺにキスをしてくれました。しかも往復で!すごく恥ずかしかったけど、フランス人だから許そう、と思いつつ別れを惜しみました。
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by aubaden | 2004-09-18 02:46 | Trackback | Comments(0)

記者会見と台風

9/18のコンサートに先駆けて、今日は舞鶴で記者会見がありました。
文化会館の小ホールにピアノがセッティングされていて、公開練習も兼ねていました。
ピアノは幸運にも当日使わせていただくのと同じものを準備して頂けたので、手ごたえを計ってみました。これは困った、と思いました。というのも、割と反応が薄いのです。メゾフォルテ付近は問題なく出るのですが、ピアニッシモやフォルテシモになると、ピアノが拒絶してるみたい!出そうとして力を入れると音色は硬くなるので、そこは流石にコンサート用に保存されているフルコンらしく、これは本番に向けて、音色改善が必要かも・・・てな事を感じました。
そんな風に思いながら弾いている間も、記者の方たちはずっと写真を撮り続けてくださっていました。
撮影が一通り終わると、今度はいわゆる記者会見。
よくワイドショーなんかで見かける記者会見の華々しさとは程遠いですが、それでも私ごときの為に5社の新聞社の方達が来てくださいました。
皆さんそれぞれ色んな質問を準備して下さっていて、アットホームな雰囲気で笑いもあったりして、楽しく1時間が過ぎました。
政府の定例会見なんかで、「○○新聞の誰々です」なんていう自己紹介から質問が始まるのをよく聞きますが、今日もそんな感じでした。お決まりなのでしょうか。ほほう~、と内心思っておりました。
それからすごく感心したのは、記者さんたちのペンを走らせる速度です。言葉とペンが、 in tempoなのですから、そりゃあ凄いスピードです。
1時から始まった撮影と会見は、かくして終わり、3時に駅に着きました。
外はかなりの強風で、心配していたように、電車がストップしていました。
そう!
帰れないのです!
仕方なく駅前にホテルを一室とって頂き、宿泊する事にしました。気がかりなのは練習です。ホテルの部屋からフロントに電話して事情を説明すると、最上階のレストランの営業が5時からなので、それまではレストランのピアノを使って存分に練習をしてください、との事。私の声が相当沈んでいたのか、とても優しい口調でそう言って下さいました。
いろんな人達に助けられて、コンサートさせて頂いているんだなあ、と感慨深く思いました。
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by aubaden | 2004-09-07 02:47 | Trackback | Comments(0)

師との出会い

音楽を学ぶにあたって、師事する先生方から受ける影響力は絶大なものがあります。手ほどきを受けた先生、受験を指導して頂いた先生、学生時代からお世話になっている先生、卒業後お世話になっている先生・・・。
どの先生もかけがえのない存在で、今も全ての先生方と大切にお付き合いさせていただいています。
今日は、学生時代から現在に至るまでお世話になり続けている恩師の元へ。偉大な師の前だと、音楽を奏でるという行為が何故か神々しい事の様に思えてくるから不思議です。言って下さる言葉の一言一言が全て、先生ご自身の歴史を物語っているし、全ての言葉が伝統に裏付けられた物であることが分かっているから、なおさらそう感じるのでしょう。
レッスンの終わりに先生は、自ら監修を務めておられる、ある音楽専門書を私にくださいました。「コンサートのお祝いです」という言葉と共に手渡されたその表紙をめくると“謹呈”という文字が書かれていました。恥ずかしいのですが、深くその言葉の意味を理解していなかった私は丁寧にお礼の言葉を述べて帰路につきました。帰宅後、辞書でその言葉を調べてみると「つつしんで差し上げる事」と記載されていたのです。親子ほども歳の離れた弟子に対して、“謹呈”という言葉を選んでその書物をくださった先生の気持ちに、感謝と感動で胸が一杯になりました。
一生のうちで演奏できる曲は限られているけれど、だからこそ深い解釈に基づいて演奏しなければ・・・そんな風に思います。
ピアノを学び始めてから、ピアノがもたらしてくれた縁は、数知れずありますが、どれをとっても本当に素晴らしいものばかり。
師との出会いは、演奏技術を学ぶ為のものでもあるけれど、同時に音楽に対する真摯な姿勢や、作曲家への尊敬、伝統に対する尊敬など多くの事を伝授して頂けるものでもあるのです。私は、音楽と接する時も人と接する時も、常に誠実でありたい、と思っているのですが、私なんてまだまだヒヨッ子だな~と痛感した今日一日でした。やはり師は偉大です。
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by aubaden | 2004-09-03 02:47 | Trackback | Comments(0)