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旅の手記 「コンサート本番」

この日、サンクトペテルブルグは快晴で、この時期には珍しく朝日が照っていました。
ゲネプロを終えた後、いったんホテルに戻り、少しだけ昼寝をした後、調律がアップした時間を見計らって再び会場へ。
会場のベロセルスキー・ベロゼルスキー宮殿は、入り口の大きな扉を開けると、思わず感嘆の声をあげたくなるほど豪華な大階段があります。とても古い建物なので、音響はイマイチなのですが、伝統ある宮殿で演奏できたことは幸せでした。
ところが、入口で警備員のおじさんに止められ、説明しても決して中に入れてくれないのです。年配の人は英語を話さないので、私の話していることは全く理解していない様子でした。今日はアナスタシアさんもいないし、とにかく英語を話せる人をお願い!と必死で頼み、何十分も粘ってようやく分かってくれて中に入ると、とっくに調律はアップしていたので他のソリスト達と手分けしながら練習開始。
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例の怖そうなチェロの人が入ってきて、ラフマニノフについていろいろアドバイスしてくれました。「ラフマニノフは本当に難しい作曲家だけど、とてもファンタスティックに弾けているよ。君はとても速く弾けるから、その反面、緩急の差があって構成力が難しくなりがちだね。古典をもういちど勉強するといいよ。ラフマニノフは1回目より2回目、3回目、と序々に確実に良くなる筈だから、いろんなオーケストラとやるといいよ。」さらに、楽譜を具体的に指しながら「こことここは、ボクとのデュエットだから、お互いに楽しもうね」と言ってくれました。さらに、楽器倉庫に眠っていたアップライトピアノを本番ギリギリまで貸してくれたり、本当に親切でした。やっぱり人は見かけで判断しちゃあ、イケナイですよね。
控え室はとても質素な部屋で、ここで待機すると思うと気持ちが押しつぶされそうでした。
過去2回のオケ合わせのとき、とても無愛想だと思っていたオケメンバーが、この日はみんなフレンドリーで、舞台に上がった時、みんなが笑顔で包んでくれて守られている気持ちが何とも心地よく、力強かったです。途中、自分との戦いに負けそうになりましたが、何度もオケの力強いサポートに励まされ、無事最後まで弾き終える事ができました。
本番用のピアノはブリュートナーのセミコンで、高音の伸びも悪く、ホールの音響の悪さがいっそうそのマイナス要因を強調していて、必ずしもベストな環境とは言えませんでした。
そんなプレッシャーに負けそうになった時、助けてくれたのは、先にも述べた今回出会った人々、最初から最後までお世話になりっぱなしだった指揮者の守山先生、そして様々な出来事を一緒に乗り越えてすっかりお友達になった3人のソリスト達。音楽って一人じゃ無理なんですよね。人間が一人じゃ生きていけないように・・・。本当に感謝の気持ちで一杯です!
そして伝統ある会場で、ロシアのオーケストラとロシア音楽を共有し、ロシアの聴衆から歓声と拍手を頂いた時、本当にここまで来れて良かったなぁと思いました。こんなに貴重な経験を、これからの人生であとどれだけ経験できるのか分かりませんが、今回の事は大いにこれからの励みになると思います。
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by aubaden | 2006-10-30 22:17 | Trackback | Comments(0)