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橋田波子のブログへようこそ!!


by aubaden

師との出会い

音楽を学ぶにあたって、師事する先生方から受ける影響力は絶大なものがあります。手ほどきを受けた先生、受験を指導して頂いた先生、学生時代からお世話になっている先生、卒業後お世話になっている先生・・・。
どの先生もかけがえのない存在で、今も全ての先生方と大切にお付き合いさせていただいています。
今日は、学生時代から現在に至るまでお世話になり続けている恩師の元へ。偉大な師の前だと、音楽を奏でるという行為が何故か神々しい事の様に思えてくるから不思議です。言って下さる言葉の一言一言が全て、先生ご自身の歴史を物語っているし、全ての言葉が伝統に裏付けられた物であることが分かっているから、なおさらそう感じるのでしょう。
レッスンの終わりに先生は、自ら監修を務めておられる、ある音楽専門書を私にくださいました。「コンサートのお祝いです」という言葉と共に手渡されたその表紙をめくると“謹呈”という文字が書かれていました。恥ずかしいのですが、深くその言葉の意味を理解していなかった私は丁寧にお礼の言葉を述べて帰路につきました。帰宅後、辞書でその言葉を調べてみると「つつしんで差し上げる事」と記載されていたのです。親子ほども歳の離れた弟子に対して、“謹呈”という言葉を選んでその書物をくださった先生の気持ちに、感謝と感動で胸が一杯になりました。
一生のうちで演奏できる曲は限られているけれど、だからこそ深い解釈に基づいて演奏しなければ・・・そんな風に思います。
ピアノを学び始めてから、ピアノがもたらしてくれた縁は、数知れずありますが、どれをとっても本当に素晴らしいものばかり。
師との出会いは、演奏技術を学ぶ為のものでもあるけれど、同時に音楽に対する真摯な姿勢や、作曲家への尊敬、伝統に対する尊敬など多くの事を伝授して頂けるものでもあるのです。私は、音楽と接する時も人と接する時も、常に誠実でありたい、と思っているのですが、私なんてまだまだヒヨッ子だな~と痛感した今日一日でした。やはり師は偉大です。
by aubaden | 2004-09-03 02:47